ミャンマー・ライレンピーコーヒープロジェクト

ミャンマー・ライレンピーコーヒープロジェクト

ライレンピーの夜

ナトゥラマー!(マラ語でお元気ですか?) 柴田です。

 ライレンピーは、雄々しい山々、眼下に広がる雲海、野生の蘭がたくさん生息する森、カモシカが上り下りするという断崖絶壁、山の向こうに落ちる夕日、シャクナゲの大木、天の川までくっきり見える満天の星空。どれをとってもため息が出るほど美しい自然豊かな場所です。もちろんそこでの生活は厳しいとは思います。しかし、本当に素敵な所です。

 こんな美しい自然の中で育ったコーヒーは、自然の恵みを十分に受けているに違いありません。ライレンピーのコーヒーを飲んで、そんな自然に思いを馳せてみませんか。おすすめは実際に現地に行き、焚火を囲んで話をしながら飲む一杯です。^^

 今日はライレンピーの夜についてお話ししたいと思います。

 

 日没。間近に迫る山々に太陽が沈む様子は圧巻です。同じ景色なのに、何枚も写真を撮ってしまう・・・。家に帰って写真を見返すと、本当に同じ場所で何枚も撮ってる。でも、刻々と変わる空の色と山のシルエットの美しさが何とも言えず、目を奪われてしまいます。

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日没の様子。

 そして、夜の闇が濃くなってくると始まる焚火!焚火って魔法の力があるみたいですよね。学校の林間学校とかでやったキャンプファイヤーもなんかわくわくする・・というのと同じで、火があって、椅子を持ってきて、話を始めると止まらない。一度コーヒー専門家の方と焚火の前で「これからのコーヒー生産について」を語り始めたら、最終的には電卓を持ち出してきていくらでどれぐらい出せるか!という熱い議論になりました。

 この間ライレンピーに行った時は、焚火を囲んで話していると、教会の子供会みたいな集まりがやってきて、歌を歌って寄付を募っていきました。(何のための寄付だったのか忘れてしまいましたが・・)そして次の日の朝、たくさん寄付をもらったから・・とお礼にサトウキビを持ってきてくれました。

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焚火を囲んでお話会

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子供会?の皆さんが寄付を募りに来た夜

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翌日お礼にサトウキビを持ってきてくれました。

 また、コーヒー生産にも精を出している地球市民の会のライレンピー持続開発センターのスタッフたちと、夜ゆっくりと話をするのもとても楽しいひと時です。家族のこと、仕事のこと、もちろんコーヒーのことも。私たちがライレンピーを去る前の晩、いつものように話をしていたらポツリと「みんなが帰った後、残った私たちだけでこうやって火を囲むとみんなのことがいつも思い出されるんだよ」と言われた時には、何とも言えない気持ちになりました。キュン・・・

 

 そして、ライレンピーの夜のすばらしさのもう一つは、星空です。ライレンピーはいまだ無電化地域。センターにはソーラーパネルで発電した電気をバッテリーに貯めて使ったり、必要な時には発電機を使ったりしますが、一般家庭には電気はありません。夜の早い時間だとセンターのようにソーラーパネルがある家庭など、ぽつりぽつりと電気がついているところもありますが、夜が更けてくると本当に真っ暗になります。その時の星空はプラネタリウムで見る「明かりのないところの星空」よりも星がたくさん見えます。(先日プラネタリウムに本当に久しぶりに行ってきましたので、この情報は正確!)

 センターができる前、ライレンピーに行くと教会の施設に泊まらせてもらっていました。この施設は屋内にトイレがないので、夜中トイレに行きたくて起きると、外までいかなければなりません。めんどくさいなーと思いながら行くのですが、見上げると満天の星。声が出ませんでした。私は見えなかったのですが、その時一緒に行った方は流れ星がたくさん見えたっておっしゃっていました。いいなー。

 

 こんな夜を過ごしながら、ラインレンピーで採れたコーヒー豆で淹れた一杯のコーヒーが飲める日を今から夢見ています。

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コーヒーの淹れ方研修をしているスタッフ。