ミャンマー・ライレンピーコーヒープロジェクト

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ライレンピーの病院とお礼の贈り物の話

ナトゥラマー!(マラ族の言葉で、お元気ですか?)柴田です。

前回、前々回とライレンピーのインフラのお話でした。

電話事情はこちら↓

ライレンピーの電話・インターネット事情は・・・? - ミャンマー・ライレンピーコーヒープロジェクト

道路事情はこちら↓

悪路で名高いレーゾワ・ライレンピー道路 - ミャンマー・ライレンピーコーヒープロジェクト

 

 今日はライレンピーの病院のお話をしたいと思います。ライレンピーには政府の病院が一つあります。外から見るとなかなか立派!

でも中はがらーんとしています・・・

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ライレンピー町の病院

 ミャンマーの政府の病院は保健省の管轄です。そのため、このような病院には保健省からスタッフが派遣されてきます。しかし、ライレンピーは超僻地なので誰も行きたがりません。ミャンマー国内では病院だけではなく、学校でもこのようなことが結構あります。

 学校の場合、超僻地なので先生が行きたがらない→村に先生が来ないで(でも籍は村にある)、自身は違う場所に住んでいる→数年たって異動願を出して住んでいる場所から直接他の町or村に行ってしまう、という感じになり、子供たちが十分な教育を受けられなくなってしまいます。(先生の名誉のために付け加えますが、すべての先生がこのような先生ばかりではなく、歩いて何時間も行かなければ買い物に行けないような場所でも「子供たちに教育を受けさせてあげたい」と頑張っておられる先生もいらっしゃいます。)最近はこのような状況が改善されつつあるようですが、ミャンマー全土で子供たちが安心して教育を受けられるようになるといいなと思います。

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シャン州の学校ですが、ここもかなり奥地にある学校でした。

(その後、事業で新しい校舎を建てました)

 病院の場合、どうでしょう?僻地だから村にお医者さんがいないということは、日本でもあることだとは思います。ライレンピーの場合は、そうならないよう軍医さんが駐在しています。保健省のスタッフではなく、軍隊からお医者さんが派遣されてくるのです。よほどの僻地でないとないことですが、この仕組みのおかげでライレンピー町の政府の病院にはお医者さんが2人います。そしてお医者さんは次の人が赴任するまで3年程度を町で過ごします。

 私たちが最初にライレンピーの地を踏んだのは2017年3月。その時にいらしたお医者さん2人はもう今はライレンピーにはいません。その時のお医者さんの1人は「最初は大変なところに来たな~と思いました。でも住めば都で、町の人たちも親切だし、とても楽しく過ごしてます」とおっしゃっていました。その後2018年の4月にライレンピーに行った時に新しく赴任されたという軍医さん2人にお会いしました。その時はまだ赴任したてのほやほやで「まだ慣れません~。町が恋しいです。」とおっしゃっていました。町の人たちの話では、新しいお医者さんはすぐに近くの(近くと言っても車で悪路を4時間ぐらい)町に行っちゃうんだよねーということでしたが、今は「住めば都」になっているでしょうか・・・?

 その時聞いた話が、「前のお医者さんはみんなに尊敬されてたから、毎日鶏を食べていた」と。ん・・・?尊敬されると鶏が食べられる・・・?

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            各家庭で庭先で飼っている地鶏

  ライレンピーの皆さんは、病気を治してもらったなどの感謝の気持ちを表す時、身近で採れる野菜や果物、また卵、鶏、ナナウ(牛)などを贈ります。ライレンピーだけではなく、チン州の他の事業地でもいただいたことがあるので、チン州の文化なのかな・・?でもチン州全部を知っているわけではないので、ここではライレンピーのお話をしますね。ということで、前のお医者さんはみんなにいつも感謝されていたので、ほぼ毎日鶏をもらっていて、いつもそれでお腹いっぱいだった、ということだったのです。「それに比べると新しいお医者さんはまだせいぜい卵がもらえるレベル(上のお話と同じ町の人・談)」だそうです(笑)。贈り物にもレベルがあるそうです。

  私たちが今、コーヒー栽培指導や農業研修の拠点にしている「ライレンピー持続開発研修センター」の落成式をした時にも、たくさんの贈り物をいただきました。皆さん、家で採れたものを続々と持ってきてくれて、みるみるうちに手作りの棚がいっぱいになりました。本当にありがたかったです。その時、ナナウもいただきました。ですが、ナナウのお話はまたの機会に「ナナウ特集」としてご紹介できればと思います。

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         持ってきてくれた贈り物でいっぱいになった棚

 コロナで現地に行けない今、あの人はどうしてるかな~、病院のお医者さんは鶏もらえるようになったかな~(笑)など、いろいろなことが頭に浮かびます。町のみんなが元気でいてくれることを心から願っています。

 来月からコーヒーの収穫も始まります!またその様子もお知らせできるといいなと思っています。お楽しみに~!