ミャンマー・チン州コーヒープロジェクト(仮)

ミャンマー・チン州コーヒープロジェクト(仮)

「森を焼く」から、「森をつくる」へ

ナトゥラマー!(マラ族の言葉で、お元気ですか?)

柴田です。

 

今日は、ライレンピーの焼畑農業について書きたいと思います。

 

焼畑農業の現状

本来は持続可能な農法

ミャンマーの森林率は1990年の60.1%から2010年の48.6%、2015年の44.5%と減少の一途をたどっています。

 

ライレンピーがあるチン州では、元来広く移動式焼畑農業が行われてきました。焼畑農業と言うと、悪いイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、移動式焼畑は、きちんと休耕期間をもうけて土地を休ませていれば、持続可能で優れた農法なのです。

 

人口増加で崩壊寸前の焼畑システム

しかし、現在は人口増加に伴う耕作地不足のため、過剰な焼畑が行われています。十分な休耕期間をとれずに土地が酷使され、大規模な森林破壊と地力の低下を引き起こしています。

 

地力が低下すると、十分な食糧確保が困難になります。地域の人たちの実感としては、以前の半分~6割の収量になってしまったということでした。

 

また、焼畑にするための土地が近くにないため、畑に行くまで半日以上も歩いていかなければならないこともよくあります。畑に行くまでに時間がとられ、収量も減ってしまって、自分たちが食べる分の米すら足りない状況。ミャンマーでは1日3食が普通ですが、この地域の人たちは1日2食しか食べられません。

 

現金収入はほぼ皆無であり、平均年収は約2万円程度です。

 

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焼畑農業は悪?

エリート医師の話

忘れられない話が一つあります。最初にラインレンピーに行った時に聞いた話です。その話をしてくださった方はライレンピーに住んでいます。しかし、彼はかなり特別な存在で、お医者さんでもあり、ローカルNGOの代表でもあります。よく外国へファンドレイズに行っていて、イギリス、アメリカ、オーストラリアなどなどいろいろな国を飛び回っています。彼はこう言いました。

 

「とても腹が立ったことが一つある。この周辺はとても深い森でとても大きな木があった。本当に大きな木で、人が何人も手をつないでやっと幹の周りをぐるっと囲えるぐらいだったんだ。そんな素晴らしい木をこの町に住む農民が焼いてしまったんだよ。その木を切って焼いて作った畑から採れたジャガイモはたった3,000チャット(当時の価格で約240円)の価値しかないものだよ?3,000チャットなら、私がいつでもあげるよ。」

 

この話、どう思いますか?

この話、どう思いますか?確かに何十年もの月日をかけて大きく育った木が大切というのもわかります。そして自然保護の観点からみると、彼の言っていることは正しいのかもしれません。彼はネイチャーラバーなので「自然環境を大切にしなきゃ!」という想いがあるのでしょう。

 

しかし一方、農民側から見ると、その年の、その日の食事にも困っているのです。どちらを責めるのも、どちらを支持するのも難しい話だと思っています。 

 

環境も、農民の生活も

「環境を守りつつ、農民も生活できる方法はないのか・・・。」

 

そう考えて出てきた答えが、アグロフォレストリーでコーヒーを作ること。これまで焼畑しかしてこなかった人たちに「森づくり」をやってもらうことは、想像を絶するような大変な挑戦です。しかも、雨季には行くことすらできない大変な奥地で、インフラさえ整っていない場所。

 

そんな大変な挑戦だからこそ、これまでになかった最高のコーヒーが作れると信じています。

 

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